『上原ひろみ/Beyond Standard (2008)』 サラウンドMIXの生々しさはスタジオの臨場感 [SACD Hybrid 5.1ch]

2019年3月3日日曜日

[サラウンド 5.1ch 7.1ch ドルビーアトモス] [音楽] ジャズ [音楽] プログレッシヴ・ロック [機材・その他]


SACD再生機として初期型PS3(60GB)を入手してみたら……
↑以前書いた、PS3は光ケーブルからはSACDマルチchの出力ができなかった話の続き。
先日デノンのアンプAVR-X1500H-Kを購入したのでPS3の音声をHDMI出力できるようになった。


ビヨンド・スタンダード


Beyond Standard

『ビヨンド・スタンダード』について
上原ひろみ5作目のこのアルバム。
どんな曲でもリズムや展開を複雑にしてしまうコンセプトに上原のプログレ魂を感じ気に入っている。
ギターが突出して目立ち上原はどちらかといえばアンサンブルに比重を置く傾向。
終始リラックスムードながらソロ、バトル、アンサンブルは超絶技巧のオンパレードで聴き所満載。
ただしステレオで聴いていた時点では音質やMIXはやや平板に感じられた。

早速サラウンドで聴いてみる。
スタジオの現場に立ち会っているようなリアルさ。
演奏者の心の機微、場の空気感、白熱灯の照明やそれが発する熱までも鮮明に捉えているかのようだ。
SACDの情報量と巧みなMIX技術で録音作品の質がここまで向上するとは正直驚いたし感激した。
新しく作られたDSD録音にはこういう全く次元の違うものが存在するのだと知った。
もちろんサラウンドならではのギミックや抽象的・幻想的な場面もありそれらも巧みに演出されている。

音の良さがもたらす聴く喜び
音質の向上とサラウンドがもたらす空間性の相乗効果で、単に音楽を、というより演奏を聴いている感覚が強くなる。 各楽器が聴かせどころを弾き始める一つ一つの瞬間に喜びがある。
生々しさという点では『4.キャラヴァン』でのヴァリホラのドラム・ソロが最も強く印象に残った。これは目の前で叩かれるドラムの、その迫力に飲まれる体験そのもの。
続く『5.上を向いて歩こう 』はステレオ音源で聴いている時点ではあまり好きではなかったのだがSACDサラウンドで評価が一変した。スタジオの空気感がアルバム中最も伝わってくる。音のみならず演奏家の動きや顔の表情までも見えてしまうような優れた録音だ。

ギターのやかましさが一転して魅力に
フュージンスキーのギターの音がデカいのはステレオでもサラウンドでも一緒だが、
ギターがリスナーに最も近い場所に定位しているのが判ると全然やかましく感じなくなった。
むしろこの音量だからこそ、この人の弾くフレットレス・ギターの大胆かつ繊細なタッチと音色の豊かさに聴き入り楽しむことができる。


PS3の音質をできるだけ良くするには
PS3のSACD再生はDSD音声を通常のCDと同等のPCMに変換してHDMIから出力するのだが、その際アップサンプリングによって再度高音質化される。(これは通常のCDでもハイレゾ化するというPS3の機能)
映像信号はAVケーブル(黄)から出力させHDMIは音声信号だけに使用。
HDMIをアンプに接続。PS3本体は5.1chをハイレゾ出力できるように設定。
アップサンプリングの音質をさらに向上させるビットマッピングは空間表現を重視してタイプ2を選択した。

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