「うゎー広い!めっさ広ーい!」
第3話、OP直後のワカバのセリフ。
アバンの時点でこの回は大画面で観た方が面白いだろうなという気はしていたが、
茫漠とした赤と青に煙る“島の先の景色”にすっかり心を奪われる。
迷わず液晶モニターでの視聴を中断し、プロジェクター部屋へ移動。
「こうやって見ると、また景色がちがいますねー」
第2話終盤でのワカバのセリフを実感することになった。
この回以降しばらくは島から島へ移動をする展開に入る。
市電によって観る者もクルーの一員として彼らと一緒に旅を体験できる仕掛けだ。
スクリーンで観る多くの利点
大画面で観るとキャラがかなり小さく表示されている場面でもちゃんと演技していることが分かる。
また背景描写の緻密さと、空間表現に優れている点などがより感じられるようになる。
あのどんよりとした世界への没入感もより深く、そこに浸ることができる。
戦闘シーンの迫力も段違いになり面白い。
この作品はできるだけ大きな画面で観た方が絶対面白いし究極的には劇場が最高だろうと思う。
もちろん音も良い環境に越したことはない。
今回1~10話までAmazonプライムでの視聴だったが音響効果はかなり優れていると感じた。
けもフレっぽさ
これは第1話から感じることができた。
たつき監督の作家性というのもあるが、より意図的に『けものフレンズ』をなぞっているようにも思える。
終末的世界観、キャラの役割、乗り物移動、などなど。
けもフレっぽさが積み重なっていく、その都度感じる嬉しさがある。
一番嬉しかったのは第6話での 「りく」登場時。
「ツチノコ」を彷彿とさせるキャラに嬉しさが込み上げ、思わず声を立てて笑ってしまった。
背景美術の色彩はかなり特徴的 第3話の地獄のような移動シーンに日本画の夜の描き方を連想する。
鉱物・土・植物・昆虫などから作られた絵の具で描かれる日本画のような色合。
さらに第10話に登場の赤い木には速水御舟『炎舞』を彷彿とさせるものがある。
ゲームっぽさ
島から島へ乗り物で移動、謎だらけの廃墟探索とくればMYSTシリーズの第2作目『RIVEN』を思い出す。
また、断片的な文章をヒントとして小出しにしてゆく感じもMYST的。
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