マニア向けモンスターパニック映画【恐竜・怪鳥の伝説(1977)】問題の「うなぎ」シーンと伝説の「シャワー&着替え」シーン ゴアもあるよ

2019年3月21日木曜日

[映像] 特撮




問題の「うなぎ」シーンを解説

「レマン湖で会って、もう一年か……」キャンピングカーに男と女。
主人公が元恋人を背後から抱きすくめる。唐突に声を荒げる元恋人。
「ウナギを追い出して!」
キャンピングカーのステップには大量の生きたウナギが!……何故?

これには2つの意味が含まれているのでは?

まず1つ。
ウナギは性的な意味を連想させる存在であること。
(精力が付くとか、男性の象徴であるとか)
つまり2人の間にあるムード、俄かに湧き立とうとする性欲を指していて、
それを「追い出して!」という演出上の間接表現だと解釈できる。
ただ単に女優に「やめて」と言わせれば済む事ではあるのだが、そこでもう一点の要素である。

2つ目。
ウナギが地震予知能力を持つとされる存在であること。
クライマックスで起きる富士山噴火(地震)をウナギが感じ取った上での異常行動であり、
モンスター達(恐竜・怪鳥)の出現との関連性を語ることができる。

ただしどうやってウナギがキャンピングカーに侵入したのかはよく分からないし誰も説明できないだろう。

物語の舞台、富士五湖の一つ「西湖」は何百年も昔の富士山噴火によって現在の形になったという。
富士五湖には古くから語り継がれる竜神伝説が残っておりUMAの目撃情報もあるそうだ。
この映画の序盤でも、西湖で開かれる龍神祭とそれに伴う湖上フェスの様子が描かれている。



成熟した大人の魅力に満ちた男女

渡瀬恒彦演じる主人公『芦沢節』、沢野火子演じる『小佐野亜希子』。
どちらも匂い立つ大人の色香を持つ。この二人の大人の色香でぐいぐい引っ張っていく。
そこにこの映画の本質がある。
沢野火子という字面に「さわの ひこ」と読んでしまいがちだが「さわ のびこ」である……のびこ。

「小佐野」という姓について調べるとかつての甲斐の国、山梨県にルーツを持つ名前であることが分かる。現在も富士湖畔の地域には小佐野さんがたくさん住んでいるそうだ。



伝説のシャワー&着替えシーン

映画中盤、シャワーを浴びる女性の“サービス”シーン。
斜め後方のアングルだがB地区も映っている。
背中のお肉には良い塩梅に脂が乗っている。
そしてシャワー後は着替えシーン。
程よく熟れた女性が赤ジャージにブラ姿で髪を拭く一連の動作を捉えた映像。
なかなかに“マニアック”だ。
窓の外からは巨大な恐竜の頭が女性を狙っているのだが結局は建物ごと破壊される大惨事に。

このセクシーシーンを演じた女優は丸平峰子。エロス&バイオレンスな昭和の東映作品では常連だったようだ。
竜神祭にやってきた小学校の引率の教師役なのだが場面戻して再度確認しないと役柄が一致しない。



多くのカルト好きも認めた?ゴア表現

随所に残酷描写が見られるのもこの作品の特徴。
中でも亜希子の助手『園田淳子』が恐竜に散々蹂躙されるシーンは執拗に描かれる。
この後、亜希子によって遺体が引き上げられる場面はかなりショッキングなので苦手な人にはオススメできない。



衝撃のラスト

この映画の幕引きがとにかく気に入っている。
ただし拍手喝采するにはラスト10分辺りの展開に本気で付き合わなければダメだ。
(ラストが容認できないという意見も多い)

「アッコォーー!!」


雑記

・八木正生が手掛ける音楽が抜群に良い。まず沖縄のHRバンド「紫」の宮永英一による歌唱が魅力的なオープニング曲『遠い血の伝説』が堪らない。70年代後期らしいブラスやストリングスの入るファンクテイストのジャズロックだ。BGMも全体的に良い……いや堪らない。フルートやシンセが入ってくる曲などはジャズ・ロック系のプログレ好きにもオススメできる。ラスト、愛し合う二人が絶体絶命の危機にさらされる場面で流れる『終章』も溢れ出す無常観が何ともいえない名曲。こちらも宮永英一による歌唱が魅力的な壮大なプログレ風バラードだ。……音楽全部素晴らしいのだが、乾いた都会を想起させるBGMはどれもこれも内容にそぐわない。だがそのミスマッチ感がまた味わい深く、この映画を好きな一因となっている。

・正に男の中の男といった渡瀬の上半身と、それを強調するような謎の白メッシュTシャツ……“問題”の肌着だ。

・終盤のトンデモシーン、村民大爆発!!!もバカ受け。

・今回この映画をAmazonプライムで観たのだが上下に黒帯のシネスコサイズだった。DVD版の画面比率が気になり東映のサイトで確認したところ16:9 LB(シネスコ)となっている。因みに主音声:モノラルだ。



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